糖尿病の患者さんは年々増加し、いまや40歳以上の10人に1人は糖尿病であると推定されています。
網膜は毛細血管から栄養を得ていますが、糖尿病が原因でこの毛細血管が詰まってしまったり、栄養が十分にいきわたらなくなることがあり、進行すると糖尿病網膜症という合併症になる方が居ます。
糖尿病網膜症は徐々に視力が低下し始め、重症の場合は最悪失明に至る場合も少なくなく、現在成人の失明の原因で最も多い病気です。
原因となる糖尿病の治療をしっかりと行い、血糖値をコントロールしていきます。
病気の進行に応じて、レーザー治療や硝子体手術を行っていきます。
*レーザー治療とは?
特定の波長のレーザー光で病的な網膜を凝固させることにより病気の進行を抑える治療法です。病気の悪化を防ぐ目的で行われるもので、元の状態に戻すことはできません。
*硝子体手術とは
レーザー治療で網膜症の進行を予防できなかった場合や、すでに網膜症が進行して網膜剥離や硝子体出血が起こった場合に対して行われる治療です。眼球に3つの穴をあけて細い手術器具を挿入し、目の中の出血や増殖組織を取り除いたり、剥離した網膜を元に戻したりするものです。顕微鏡下での細かい操作を要し、眼科領域では高度なレベルの手術となります。